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リモートワーク制度に満足していないITエンジニアが50%!
リモートワーク制度に満足していないITエンジニアが50%!
こんにちは。Forkwell の3代目事業責任者の赤川です。
Forkwell(フォークウェル)では、ITエンジニアを対象としたダイレクトリクルーティングサービス Forkwell Jobs(フォークウェルジョブズ)を運営しております。そのサービス改善の一環として、2020年3月冒頭に、ITエンジニアのリモートワーク事情について、ITエンジニア約300名に対して調査アンケートを実施しました。
調査結果では、リモートワーク制度を導入している企業であっても、その満足度に大きな差があることが明らかになりました。
なお、本調査の有効回答数は 289名でした。
リモートワークを活用しているITエンジニアが大多数
まず、ITエンジニアの方々に、所属企業にリモートワークが導入されているかを聞きました。リモートワーク導入済みの企業が主流であることがわかりました。
現在リモートワークをどの程度活用してるか、という質問に対しては、活用している人の方が多く、活用していない人が 40%未満という結果でした。
活用している人の中では、ほぼ毎日利用している方が 18%と最も多い結果でした。
なお、新型コロナウイルスの影響を受け、期間限定で活用している人は15%に留まりました。多くの企業では元からリモートワークが導入されていたようです。
個人的には、これを機にリモートを取り入れた方がもっと多いだろうと思っていたのですが、以前よりリモートが当たり前になっていたことを実感しています。
リモートワーク制度に満足していない人が50%
満足している人、満足していない人に分解して要因を探ります。
上記のグラフをみると、リモートを導入している企業であっても、3割近い方が自社の制度に不満と回答していることがわかります。
また、リモートを導入していない場合、8割の人が満足していないと回答しており、多くのITエンジニアがリモートワークを望んでいることが伺えます。
では、リモートワーク制度があるのに、満足していないと回答した方のリモート活用状況と、その理由を探ってみましょう。
所属企業のリモート制度に満足していないと回答した人の半分はリモートを活用していないという結果でした。制度があっても活用できない制度ならば、満足度が低くなることが読み取れます。
「ほぼ毎日活用している」という回答もありましたが、内容をみると、新型コロナウイルス対応期間中のみ、という記述があり、平時から活用できる状況ではないことが伺えました。
以下では、満足していないと回答した方々が所属する企業のリモート制度について、代表的な意見を抜粋します。
利用時に事前申請・報告が必要
・上長と相談の上実施
・リモート時の日報提出は必須
・本部長の稟議が必要(やむを得ない事情でのみ許可される)
利用対象者が限定されている
・勤続年数2年以上で可能
・リモートワークの条件で入社した方のみフルリモートで勤務可能
・家庭の事情で地方に住まわざるを得ない社員のみがリモート勤務で、実質的には存在しない
リモートワークに消極的
・明確な日数の制限はないが、ウイルス感染が広がる前は恒常的に使用するのは控えるよう指示されていた
・リモートワークの制度がない
・基本的にはリモートワークは認められておらず、特別な事情のあるとき利用可能
制度がゆるいケースも
・日数無制限にどこでも働ける(国内外問わず)
・技術部署に限り事前申込なしに可能
・申請などは特になく、上司に伝えるだけ
満足できない理由をまとめると、
- 利用時に事前申請が必要
- 利用後の報告が必要
- 利用対象者が限定されている
- 利用条件が限定されている
- リモートワークに消極的
というように、取得の際に何かしらの制限が課せられていることが読み取れました。
満足度の高いリモートワーク制度は?ポイントは「自由意志」の尊重
一方、会社のリモートワークに満足していると回答した人たちの活用状況をみてみましょう。
4割近い方が毎日リモートを活用していました。
一方、こちらの回答者の中にも、リモートを活用していない人が1割程度いました。
詳しく見ると「リモート活用時に事前申請不要」など、「使っていないけれどもいつでも自由に使える」点が満足度を高めていることがわかります。
以下に、満足していると回答した方々が所属する企業のリモート制度について、代表的な意見を抜粋します。
自分のタイミングで申請なしで活用できる
・事前申請なしに取得可能
・特に出勤場所や出勤時間に取り決めはない
・事前申請なしで時間や場所も完全自由だが、ある程度チームの合意は必要で、所属チームは全員週1以上程度は恒常的に取っている
報告義務がない(通常勤務と同じ扱い)
・リモートワークの日は1日のスケジュールをメンバーに共有
・制限なしだが、カレンダーに予定を記入することが必須
・事前申告で自由に取得可能で、当日でも許可が出る。zoomなどで繋げる場合もあるが、繋がなくても終了報告と逐次slackでの呟きで作業が見えていれば大丈夫。
補助がある
・週2回以上リモートワークを行うとインターネット回線の代金補助が出る
事前申請などが必要な企業も
・週1事前申請あり、skackで報告
・月4回まで可能で事前申請は必要
・毎日18時までに、上司へ仕事内容と進捗状況を簡単に報告している
満足度が高いポイントとして、
- いつでも自分の意思で使える(承認が不要)
- 報告義務がない(通常勤務と同じ扱い)
- 誰でも活用可能
- 会社がリモートワークに前向き
など、総じて「自由意志が尊重されている」ことが、ITエンジニアの満足度につながっているようです。
新型コロナウイルスでリモートワーク制度が緩和
アンケート回答者の中には、新型コロナウイルスの影響で、リモートワークが推奨されるようになった、という声も多数ありました。中には「出社するためには申請が必要」という企業も。
新型コロナウイルスの影響で、リモートワークを推奨された方の声を共有します。
・コロナの影響で全社的に出社禁止となった。出社する際は申請が必要。
・原則リモートは無し。子供がおりかつ共働きの場合のみ許可。
・新型コロナウイルス対策として、回数制限なしで在宅勤務がOK。
リモートワークのメリットは?
では、普段からリモートワークを活用している人は、どのようなことにメリットを感じているでしょうか。
いただいた回答を分類して紹介します。
通勤時間の削減
・通勤時間のような無駄な時間がなくなり、邪魔が入りにくい
・時間と場所の制約に囚われず有意義に人生を送れる
・朝早く起きなくて良い
生産性の向上
・割り込みが比較的少なくなり、コミュニケーションが明確かつオープンになる
・作業中にいきなり話しかけられることがない、トイレがいつも空いている、音楽をイヤホン無しでもかけられる
・無駄なMTGが減る
家庭への貢献
・通勤時間短縮、家族との時間確保、集中できる
・妻といる時間を確保しやすくなる
・家族との時間を持ちやすく、会社へのエンゲージメントが高まる
心身の健康
・リラックスした気持ちで仕事に望める
・必要以上に気を張り詰めて作業するということが少ない
・外に出なくて済むので花粉症対策にもなる
その他
・パジャマで暮らせる
・感染症への予防
・昼食代削減
大多数が「コミュニケーションに課題」を感じている
一方で、リモートワークをすることによるデメリットについても聞いてみました。もっとも多い課題は「コミュニケーションの課題」でした。
コミュニケーションの課題
認識・温度感のずれ
・コミュニケーションのミスマッチが起きやすい
・微妙なリアクションや非相談事項が伝わりづらい
・コミュニケーションの面で,緊急の用事があるときに伝わっているか確認しづらい
コミュニケーションコストの増加
・余計なコミュニケーションコストの発生
・コミュニケーションの取り方に気をつけないと誤解を生みやすい
・コミュニケーションを密に取らないとエンジニア同士の作業にズレが生じるので、社内にいるトップエンジニアに皺寄せがいく
企画・アイディア出しの難しさ
・ホワイトボードを使いたいような会議はしづらい
・物事を決める時のわいわいとしたコラボレーションがやりにくく、たとえオンラインツールを活用していても難しい
・1からプロダクトを立ち上げるときなど、試行錯誤や議論を重ねるときはやはり対面の方がやりやすい
初対面の難しさ
・初対面の人とはやりずらい
・いきなりリモートワークばかりだと新しく入ったメンバーがなかなか溶け込みづらい
コミュニケーションの不足・遅延
・レス遅い人がいるとやりずらい
・他メンバーの状況が見えにくい
・同期的な手段で人に問い合わせることが難しい
他にも、心身面での課題や、メリハリに関する声がありました。
心身面での課題
運動不足
・運動量が圧倒的に減ることによる健康不安
・人と話す機会が減る、家から出ないので運動不足になる、単調な日々になる
・運動不足になるので意識的に運動しないと大変なことになる
精神的な寂しさ・孤独感
・孤独感
・同僚たちとの雑談がなくて寂しい
・企業への帰属意識が薄くなる
気の緩み
・リラックスのしすぎにより、緩みが出てしまうかもしれない
・集中が続きにくいことがある
・やる気が出ないときは仕事が始まらない
仕事のメリハリがつかない
・長時間働きすぎてしまいがちになること。
・自宅の、仕事と関係ないことでも、仕事中に気になってしまう
・一旦集中が切れるとそのあと集中するのが難しい
その他の意見
・他のメンバーが電話してくるため、その都度怯えなければならない。
・仕事のチャンスが来ない可能性がある、指示待ちになりがち
・リモートワークを導入している会社が少ないため、会社や案件の選択肢が限定される
上記のデメリットを解消するために、一人ひとりが心がけていることも合わせて聞いてみました。
コミュニケーションツールの課題に対して取り組んでいること
ツールの活用
・Slackに匿名チャンネルを作り、雑談をしている
・ハングアウトミーティングなど、画面越しでも対話できる環境を用意する
・Slackなどでなるべくリアクションするようにする
対面機会の活用
・出社する
・定期的にみんな集合して、一気にコミュニケーションなどをとるような仕掛けが大切
・週に何日かは出社する日を作る
同期する時間を設ける
・毎日1回メンバーでやることを共有する
・リモートでも楽しくなるような企画(リモート飲み会とかをしようと思ってる)
・場所も違う、活動している時間も違う、だといろいろ難しいので、せめて活動する時間はあわせるようにしている
初対面の難しさ
・オンボーディング時はなるべく対面を推奨
・オンボーディング時に、リモートワークのルールに関してコンセンサスをとっている
身体を動かす
・気分転換に散歩したり、外へ出ることを心がけている
・1日1回散歩がてら遠めのコンビニに行くことに
・筋トレをたまに自発的に行う
メリハリを意識する
・仕事用の別室用意
・なるべく仕事中は、家族には声をかけないでもらっている
・終わる時間を決めて、強制的に仕事を終える。
・やるタスクを決める
・時間管理を徹底する
・時間で区切って休む
その他のアイディア
・電話に出ない
・見積もりを算出するときに努力値をいれない
・会社に行かなくても「空気が読める」ようなコミュニケーションをとること
大多数が「レスポンスの速さ」を意識
最後に、日常的にリモートワークを取り入れている方が、リモートワークを行う上で重視している行動・振る舞いを調べて見ました。
リモートワークする上で重視している行動・振る舞い
ほとんどの人が、レスポンスの速さや、オンラインMTGの活用を重視していました。リモート環境においても、オフラインに近い環境を再現することを意識しているようです。
レスポンスの速さを意識している方が大多数ですが、上記のアンケート結果にあったように、リモートワークには非同期で仕事を進めることができ、集中して作業ができる、というメリットもあります。レスポンスの速さを意識しすぎるあまり個人としての効率が落ちないよう、チームの中で集中作業時の合意を形成しておくと良いでしょう。
ちなみに、「議事録の作成」が最下位という結果は意外でした。議論の記録を残すこと自体には高い意義があると思いますが、これは、プロジェクト管理ツールなどが十分活用されているから、あえて残す必要はないという意味なのかもしれません。
最も重視するのはネットワーク環境
最後に、リモートワークをする上で重視している環境・モノについての調査結果です。
当たり前の結果ではありますが、「ネットワーク環境」がもっとも重視されていました。普段リモートワークをしていない方が突然リモートを始めた際に、自宅のネットワーク環境が遅くて仕事にならない、という話をよく聞きますので、頻繁にリモートを行う人は、まず自宅のネット回線を早くしておきましょう。
ちなみに、最も重視されていないのは「食事」でした。運動に関しては意識を高く持っている方が多いのに、食事が重視されていないのは意外です。
まとめ
ITエンジニア約300名にリモートワークの事情についてアンケートを実施しました。
アンケートからは、以下のようなことが読み取れました。
満足度の低いリモートワーク制度
- 利用時に事前申請が必要
- 利用後の報告が必要
- 利用対象者が限定されている
- 利用条件が限定されている
- 会社がリモートワークに消極的
など、自由に取得できない制度でした。
満足度が高いリモートワーク制度
- いつでも自分の意思で使える
- 報告義務がない
- 誰でも活用可能
- 会社がリモートワークに前向き
など、自由意志が尊重されている制度でした。
リモートワークをしていて感じる代表的なメリット
- 通勤時間の削減
- 生産性の向上
- 家族への貢献
- 心身の健康 など
リモートワークをしていて感じる代表的なデメリット
- コミュニケーションの課題
- 企画・アイディア出しの難しさ
- 初対面の難しさ
- 心身面での課題
- 仕事のメリハリがつかない など
リモートワークの良さを引き出すために
- チャットやビデオチャットツールを用いて同期
- 対面機会を意図的に設ける
- 散歩などの運動を心がける
などでした。
リモートワークでは、自由意志が尊重されている制度であるほど、満足度が高い結果となりました。リモートワーク経験の少ない企業の中には、自由を認める不安を抱えている企業もいるかもしれませんが、行動を制御しようとするのではなく、結果で評価するような制度設計を意識してみてはいかがでしょうか。
いかがでしたでしょうか?オフラインワークとリモートワークのバランスが、ITエンジニアにとっての最適な労働環境を作り上げるためには重要かもしれません。
ぜひこれまでの調査結果を参考に、より効果的な労働環境を魅力にしていただければ幸いです。
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