
エムスリーの“ファンを増やす”採用戦略とは?半年で4名のハイクラスエンジニアを採用できた理由
企業概要
エムスリー株式会社は、テクノロジーを活用し、日本国内外で医療分野におけるWebサービスを数多く展開しています。東証プライム上場、グループ会社140社以上、医師や看護師・薬剤師・製薬企業・医療機器メーカーに向け、医療業界最大規模のプラットフォームを開発しています。「m3.com」など、30以上のプロダクトを開発、100以上の医療関連事業を持つ企業です。
(従業員数は2025年6月時点)
フォークウェルジョブズ導入の理由と効果
成果
- 半年間でハイクラスエンジニアを4名採用
エンジニア採用の成功要因
- VPoE自ら前線に立ち、「エムスリーのファンを増やす」ことからスタート
- フルカスタムしたスカウトを送り、内定承諾まで丁寧に向き合う
フォークウェルの魅力
- スカウト媒体とエージェント、両方の強みを兼ね揃えている
- エージェントの質が高く、カジュアル面談や内定承諾までがスムーズ
- フォークウェル一本で転職活動しているエンジニアが一定数いる

- 社名エムスリー株式会社
- 事業内容インターネットを利用した医療関連サービスの提供
- 従業員数649名
- 設立2000年9月
Forkwell(フォークウェル)を活用し、ハイクラスなエンジニアから選ばれ続けているエムスリー株式会社。今回は、VPoEの河合 俊典さん(通称:ばんくしさん)と、HRBPの我如古 薫さんに、独自のエンジニア採用戦略や、フォークウェルの活用方法についてお話を伺いました。
「カルチャーフィットするエンジニアの採用方法を知りたい」「ハイレイヤーなエンジニアをどのように惹きつけているのか気になる」「自社のファンを増やす採用戦略を知りたい」
そんな方は、ぜひ最後までご覧ください!
◼️語り手|エムスリー株式会社
〈河合 俊典さん〉
2016年、Sansan R&D部門に入社。画像認識エンジンや自然言語処理APIを開発。その後Yahoo! JAPANに転職。ヤフオク!機械学習モデリングチームのリーダーとして開発、マネジメントに従事。2019年2月よりエムスリー株式会社に機械学習エンジニアとしてジョイン。MLOpsやチームの環境整備、プロダクト開発を行う。2022年、CADDi株式会社にジョイン。AI LabにてTech Leadとしてチーム立ち上げ、マネジメントを経験。エンジニア採用チームを推し進め、Tech HR Leadを兼任。現在はエムスリー株式会社に出戻り、VPoEとして組織作りに邁進中。趣味では開発ギルドBolder'sの企画、運営、開発者としての参加や、XGBoostやLightGBMなど機械学習関連OSSのRust wrapperメンテナを務める等の活動を行っている。
〈我如古 薫さん〉
大学卒業後、NAVERをはじめとするITベンチャー企業でPR・広報に従事。2011年にエムスリー株式会社に入社し、ピープルサクセスグループ(人事)を務める。現在はビジネスサイドに加え、エンジニア、PdMのHRBPを担当し、エムスリーのカルチャー醸成に携わっている。エムスリーテクノロジーズ株式会社の取締役も兼任。
◼️聞き手|フォークウェル
〈赤川 朗〉
2011年に株式会社Groovesに新卒として入社。2015年よりフォークウェル事業部にてマーケティング部門の立ち上げ、エンジニアチームのマネージャー、プロダクトマネージャーを経て、2017年4月よりフォークウェルの事業責任者に就任。2021年9月より同事業部のDevRelチームの立ち上げに専念。現在は上級エンジニアに特化したキャリアアドバイザーとして、主に年収800〜1,500万円のエンジニアの転職を支援している。
SECTION.1エンジニアに選ばれるための採用設計
フォークウェル経由で採用した4名のエンジニアは、全員が即戦力にとして活躍
赤川:フォークウェルをご運用いただいてから、半年間で4名の採用が決まりましたね!皆さんのご活躍ぶりはいかがでしょうか?
河合(以下、ばんくし):おかげさまで、4名全員がしっかり活躍されています!CTOクラスの行動でプロダクトを引っ張っている方もいれば、技術のスペシャリティを活かして課題解決に取り組む方もおり、それぞれの得意領域で力を発揮いただいています。
赤川:そう言っていただけるのは本当に嬉しいです!エージェントとしてご支援した方々が、御社でいきいきと活躍されているのを見ると、私たちもやりがいを感じます。いつもタイムリーな連携ありがとうございます。
ばんくし:フォークウェルからは採用につながる良い話がよく来るので、常にアンテナを張っています。
赤川:ありがとうございます。では、この半年間を振り返りつつ、御社のエンジニア採用の取り組みについても教えてください。
最小工数で実現。VPoEと人事で仕掛ける効果的なエンジニア採用
赤川:御社が利用している採用チャネルを教えてください。
ばんくし:ダイレクトリクルーティング、リファラル、エージェントなど、幅広く活用しています。エムスリーにぴったりな方との出会いを逃さないよう、あえて経路は限定していないんです。
赤川:多くのチャネルを利用されていますが、我如古さんとの2名体制で回しているのですか?
ばんくし:はい、採用戦略の設計からスカウト、面談、エージェントなどの実務対応まで、採用のオペレーションは我如古と私の2人で担当しています。
とはいえ、2人だとやっぱり限界があるので、時間をかけるべき箇所にリソースを割けるように配分を行っています。
我如古:限界を超えたいんですよね(笑)。小さいチームで大きいインパクトを出すというのは、エンジニアリンググループとしても大事にしていることです。実際、開発チームも平均5名ほどとコンパクトですし、そうした方針に準拠している面もありますね。
赤川:2名体制とは思えないほどの活動量だと、いつも感じています。1週間でどのくらいスカウトや面談に時間を使っていますか?
ばんくし:時間はかなり使っていますよ。カジュアル面談は月に50回以上は実施しています。今日も午前中だけで3人の方にお会いしました。
工数が限られているので、カジュアル面談やスカウトなど、工数対効果が大きいものにはなるべく時間を使うようにしています。
一方で、技術イベントへの参加や運営、認知拡大を目的とした活動では、苦労していたりします。どうしても人手が必要ですからね。その点、フォークウェルには、エンジニア向けのイベント企画やスカウトのサポートなど、いつも助けられています。
まずはファンになってもらう。それが採用のスタート
赤川:私が転職を支援しているエンジニアに聞くと、ばんくしさんとのカジュアル面談では、会社紹介というより、人生相談になるケースも多いと聞きます。心がけていることはありますか?
ばんくし:シンプルに言うと、「ファンを増やす」ことを意識しています。エンジニアは本当に引く手あまたで、私たち以外の企業からもたくさん声がかかっています。そのため、カジュアル面談の時点で転職意欲が高くなくても、まずは「エムスリーのこと、ちょっと気になるな」と思ってもらい、候補者の選択肢の1つに入ることが大事だと考えています。
最終的に選んでもらえる存在になるには、カジュアル面談の段階からしっかり向き合うことが必要です。技術トークや人生相談、雑談でもいいので、一つひとつの対話を丁寧にして、「この会社、人生の中で経験しておくといいかも」と思ってもらえるよう、私自身前線に立っています。
赤川:御社の選考を受ける方は、たくさんの会社からスカウトを受け取っています。カジュアル面談も、多いと20社ほど受けています。でも、選考に進むのは5〜6社くらい。その中に、御社が毎回選ばれているのはそういった姿勢があるからなんですね!
実際、「ファンを増やす」採用の成果はいかがですか?
ばんくし:ありがたいことに、内定承諾率は80〜90%を維持できています。候補者の方には「エムスリーで自分の目指すキャリアが実現できる」と思ってもらえるよう、時間をかけてお話しています。とはいえ、フォークウェルが伴走してくれているからこそ、高い成果につながっていると感じています。
なぜVPoEが面談に出るのか。「医療の会社」を超えた、エムスリー独自の採用ブランディング
赤川:VPoEが採用にここまで時間を割くのは、正直中々難しいと思っています。それでも、ばんくしさんがカジュアル面談を担当されている理由はありますか?
ばんくし:エムスリーの事業って、外から見ると何をやってるか分かりづらいと思っています。医療に関わるあらゆる人に価値を届けたいという思いがあって、今では40近いプロダクトを展開しています。だからこそ、サービス全体を俯瞰して見ている立場の私が直接お話しすることで、事業の全体像をしっかり伝えられると思っています。
赤川:そういえば、「医療ドメインの会社」というブランディングをあまり前面に出していないですよね。何か意図があるのでしょうか?
ばんくし:そうですね。医療って、エンジニアにとっては馴染みのない領域なことも多いです。加えて、「硬い会社」というイメージを持たれている方も多い。だから、「医療系の会社です」というよりも、「技術を通じてギークなイノベーションを起こす会社」と伝える方が、エンジニアには響きやすいという戦略です。
それと、私たちは医療業界を長年支えられてきた方々や、これまで築かれた仕組みに対して、深いリスペクトを持っています。「業界のレガシーを私達が変える」と単純に語るのではなく、「今ある仕組みを尊重しながら、技術の力で業界全体の課題を解決していきたい」というニュアンスを伝えるように意識しています。そのためにも、私自身が丁寧に、複雑な背景を紐解きながら話すようにしています。
SECTION.2フォークウェルを使ってみての感想
フォークウェルは、スカウト×エージェントのいいとこ取り
赤川:実際にフォークウェルを使ってみての印象はいかがでしょうか?
ばんくし:スカウト機能に加えて、エージェントサービスもあるのが嬉しいですね。面談情報を事前にいただけるので、候補者の方の志向性がある程度把握でき、面談をスムーズに進められます。情報の粒度もかなり細かく、助かっています。
連携スピードも抜群です。私たちは採用戦略を細かく調整したいので、候補者の方の温度感が少しでも変わったらすぐに知りたい。その点、フォークウェルはタイムリーに情報を共有してくれるので、内定承諾につなげるうえでも非常に助かっています。
我如古:とにかく、いただく情報がリッチなんですよね。候補者の方が転職を考えている理由や、描いているキャリアイメージなど、しっかり背景を聞いたうえでリアルタイムに共有してもらえます。
私たちから候補者の方にヒアリングしても、引き出すことが難しいこともあるので、積極的に介在していただきありがたいです。
ばんくし:あと、フォークウェルのエージェントは、技術やエンジニアリングカルチャーへの理解が深いですよね。
我如古:そうですね。詳細な情報をヒアリングできるほど、候補者の方との信頼関係を構築されているのも、フォークウェルの強みですよね。いただいた事前情報をもとに戦略を立てやすく、的確なアトラクトにつなげられると思っています。
ばんくし:まさに一石二鳥。スカウト媒体とエージェントサービス、それぞれの“いいとこ取り”ができるのが魅力だと感じています。
フォークウェル経由のエンジニアに共通する3つの特徴
赤川:フォークウェルからご紹介している候補者の方に対して、何か特徴を感じますか?
ばんくし:大きく3つありますね。
1.自分のキャリアを事前に深く考えている
2.技術が大好きな“ギーク”なエンジニアが多い
3.フォークウェル一本に絞って転職活動をしている方が一定数いる
1.自分のキャリアを事前に深く考えている
ばんくし:エムスリーは40近いプロダクトと幅広い技術領域があるので、多様なキャリアを描ける会社です。候補者の方のキャリアの軸がある程度定まっていると、「エムスリーが合うかどうか」「エムスリーの中で特に何がマッチするか」といった提案がしやすくなります。
赤川:私たちもカジュアル面談の段階で、「一次面接に進む前に、自分のキャリア軸やその会社で実現したいことを整理しておきましょう」とお伝えしています。
我如古:フォークウェル経由の方は、キャリアに対する解像度が高い印象です。もちろん、模索中でも問題ありませんが、キャリア軸が整理できていないと、私たちが最終的に選ばれない可能性もありますよね。その点、フォークウェルが候補者の方の思考をしっかりと整理してくれている感じがします。そうすると、よりマッチする提案が出来るなと。
2.技術が大好きな“ギーク”なエンジニアが多い
ばんくし:フォークウェルは技術イベントを長年運営して集客しているからこそ、技術志向の強いエンジニアが集まっているし、信頼されているのが分かります。エムスリーは、まさにギークなエンジニアを採用したいと思っているので、相性がすごく良いと感じています。
3.フォークウェル一本に絞って転職活動をしている方が一定数いる
ばんくし:エンジニア採用は完全に売り手市場なので、エンジニアは複数のスカウト媒体やエージェントを使って活動するのが普通です。でも、フォークウェル一本で活動している方が、一定数いるんですよね。コミュニティからの信頼と、エージェント面談の質が高くて、安心感があるからだと思います。他の媒体にはない特徴だし、競合企業が絞られている感覚もあって、嬉しいですね。
スカウトは量より質。1通ずつじっくり向き合う理由
赤川:ばんくしさんのスカウト文面は、オリジナリティが非常に高いですよね。とても自然体。
ばんくし:スカウトは、必ずフルカスタムで送っています!前述した「ファンを増やす」ために欠かせないアクションだと思っています。
赤川:他にも、フォークウェルをご活用いただく中で工夫している点はありますか?
ばんくし:フォークウェルは、GitHubやSlideShareなど外部サービスをプロフィールに連携しているエンジニアが多いですよね。そういった情報を読み込むと、人柄や志向性が自然と見えてくるので、スカウト文にも落とし込んでいます。
エンジニアも、「自分のプロフィールをちゃんと見てくれた」と感じると、返信したくなると思うんです。テンプレートで大量に送れば当然工数は減りますが、1件ずつ丁寧に向き合ったほうが、結果的に効率も良くなります。
その分、候補者に寄り添う時間を作るなど、本質的な業務により多くの時間を使えるようになります。
赤川:まさに、成果につながる理想のスカウト運用ですね!
SECTION.3今後の展望
エムスリーの今後の展望
ばんくし:エムスリーは、健康で楽しく長生きする人を一人でも増やすことがミッションの1つです。
エムスリーが持つ40近いプロダクトの他にも、多くの事業、グローバルで140を超えるグループ会社があります。それぞれの課題をテクノロジーの力を使って解いていき、より良い社会を作っていけるよう邁進していきたいと思っています。
あとはAIですね。最新技術をいかに取り込み、イノベーションに繋げるかも我々が担うべき課題の1つだと考えています。AIを作り、AIを使い、AIを推進する、そんなポジションも募集していますので是非。